日米「新・世界秩序」の構築

グリーンランド問題と日米の関係

米国のベネズエラ電撃侵攻から始まった2026年

米国は、機能不全に陥った国連関連66機関から脱退し、従来の「世界の警察」としての役割を辞退すると宣言しました。しかし、これは「孤立主義」への回帰ではなく、「中露を封じ込め、中国の世界支配を阻止する」ための役割の再定義です。米史上最大となる235兆円の国防予算を背景に、実力行使も辞さない姿勢で、中露(大陸国家)を経済的・軍事的に孤立させる「監獄化」を狙っています。

多くのリベラル系メディアは、これらトランプ政権の政策を「新モンロー主義(1823年、米国のラテンアメリカ諸国に対する欧州の干渉を拒否した宣言)」への回帰だと批判しています。しかし、大きな枠組みで捉えれば、これは中国やロシアなどの大陸国家を封じ込め、その影響力を弱めようとする戦略です。その端緒がベネズエラへの電撃侵攻とマドゥロ大統領の逮捕といえます。米国は、まず自国の「裏庭」である中南米の民主化を最優先課題と位置づけたのです。

さらに、米国は北極海航路の戦略的要衝であるグリーンランドから中国の影響力を完全に排除し、西半球の支配を確実なものにしようとしています。現在注目されているのが「グリーンランド戦略」です。莫大な資金(住民一人あたり約7,500万円規模の支援案)を投じて中国の進出を防ぎ、北極圏の資源と航路を死守する構えです。この政策は、海洋資源の保護とグリーンランドの戦略的価値を重視したものであり、世界中で資源を乱獲する中国に対し、力による抑止と排除を断行するものです。

グリーンランド問題と日本の立場

グリーンランドの資源開発を巡り、今後、米国と欧州勢の対立が激化することが予想されます。ここで重要となるのが「砕氷船」の建造技術です。世界最多の砕氷船を保有するのはロシアですが、ウクライナ侵攻に伴う経済制裁により、その活動は制限されています。中国はロシアの砕氷船の後を航行することでグリーンランドへのアクセスを試みているのが現状です。

米国は現在、砕氷船の建造技術や極寒地域での掘削技術を持つ日本を、自国のサプライチェーンに取り込もうとしています。欧州もまた、日本の技術力に注目しています。今後、グリーンランド問題において日本の立場は重要な鍵を握るでしょう。今春、高市首相が訪米し、トランプ大統領との首脳会談でこれらの戦略的協力について議論が交わされる見通しです。

失われなかった日本の「ものづくりへの情熱」

現代において、日本の優れた技術や素材がなければ世界の工業製品は成り立たないほど、その存在感は増しています。日本の技術力は欧米を凌駕する分野も多く、先進各国が日本との提携を熱望しています。日本経済は「失われた30年(あるいは40年)」と呼ばれる停滞期を経験しましたが、これは日本固有の問題ではなく、欧米諸国でも同様の現象が起こりました。投資資本が中国へ流出したことで、欧米でも技術基盤や資本が毀損したのです。

米国では鉄鋼、造船、自動車などの伝統的な重工業が衰退し、EUも同様の苦境に立たされました。その結果、多くの労働者が不安定な立場に置かれ、人手不足対策としての移民政策が低賃金労働を外国人に置き換える事態を招きました。一方、日本では「ものづくり」への情熱が失われず、中小企業に受け継がれた職人技が今も息づいています。

欧米だけでなく、中国もまた日本の技術を渇望してきました。しかし、伝統的な中華思想には「対等」や「公平」といった概念がなく、国家間を「大国(主)」と「小国(従)」の主従関係でしか捉えられません。民主主義の経験がない中国は、あらゆる関係を「強者と弱者」あるいは「身分の上下」で判断します。したがって、高市政権が対中強硬姿勢を貫く限り、安易な関係改善はあり得ないでしょう。

日米の究極的な「戦略的補完関係」

高市政権下の日本は、米国の強硬な世界戦略において単なる追随者ではなく、「対等かつ不可欠なパートナー」として機能しています。経済安全保障の観点では、中国のレアアース戦略に対し、日本(小野田紀美氏らが提唱する技術革新)と米国の戦略が一致。サプライチェーンから中国を排除する政策を日米が主導しています。

防衛分担の高度化も進んでいます。米国が西半球に注力する分、日本は「東半球の最前線(日本・台湾・韓国・フィリピン)」の共同防衛において、より大きな責任と役割を担うことになります。

世界の動向と日本の役割

日本のメディアが懸念する「覇権主義」的な側面に対し、実際には日米がリードする実力行使が、最終的にはEUを含む国際社会からの(実利に基づいた)支持を取り付けることになるでしょう。

1)役割分担: 米国が「西半球とグローバルな武力抑止」を、日本が「アジアの安定とハイテク・サプライチェーンの守護」を担うことで、中露を物理的・経済的に封じ込めます。

2)対中包囲網: 「技術・資源・海洋」の全方位で中国を孤立させ、自由主義陣営による「勝ち組」の体制を日米が牽引します。

3)対等な連携: 高市政権とトランプ政権の緊密な閣僚級連携により、両国は歴史上最も強固で、戦略的な齟齬のない一体化した体制を維持します。

国際秩序を守る最強のパートナーへ

日本は米国の圧倒的なパワーを背景に、自国の安全保障と経済的優位性を確保し、中露の脅威を無効化する「最強のパートナー」としての地位を確立しつつあります。これからの日米協力は、軍事力と経済力という「実力に基づいた平和」の共同構築です。

国際社会からの反発も予想されますが、力によって現状変更を試みる中露に対し、理想論だけで対抗することは不可能です。国連や国際法が常に正義を担保してきたわけではないという現実に直視すべきです。世界政治は往々にしてパワーバランスに左右される「適者生存」の厳しい側面を持っています。

「平和を望むなら、戦争に備えよ」。この警句は、現代の国際情勢において各国が国益を再評価する必要性を物語っています。我々が享受している「自由」や「人権」も、歴史上の絶え間ない闘争と犠牲の上に築かれたものです。今、我々は人類の歩みを再認識し、現実的な力を持って秩序を守るべき時を迎えています。

Shudo Shukumine

祝嶺修道 mail: [seiken.shukumine@gmail.com]
玄制流空手・躰道創始者祝嶺春範(制献/正献)、和子の長男として誕生。出版関係及び警備会社教育係の仕事に従事し、その傍ら長年躰道新報の編集長を兼務する。2001年、父春範亡き後、伊東市に居を移し、この地を拠点に研究、執筆活動を始める。2006年、玄制流空手道の代表に就任し今日に至る。

Author: mail: [seiken.shukumine@gmail.com]
Shudo Shukumine was born as the eldest son of Shukumine Harunori (Seiken), the founder of Gensei-ryu Karate and Taido, and his wife Kazuko. He was involved in publishing and worked as an education officer for a security company, while also serving as the editor-in-chief of the Taido Shinpo for many years. In 2001, after the death of his father Shunpan, he moved to Ito City and began research and writing activities based there. In 2006, he became the representative of Gensei-ryu Karate, a position he holds to this day.

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